実印を作ろうと思うけどサイズはどうすれば良いのだろう、とお悩みではありませんか?
実印は印鑑を役所に登録することで実印としての効果を発揮できるようになりますが、登録するには規定に沿った印鑑を作成しなければなりません。
また、実印登録の規定に従いつつ、銀行印や認印とも区別できるよう作る必要も出てきます。この記事では、実印の適切なサイズの選び方についてご紹介していきます。
実印登録するためのサイズ
まずは実印の概要と実印登録するための印鑑のサイズについて確認しておきましょう。
実印とは
実印とは、地方自治体の役所に登録手続きをした印鑑のことです。登録の手続きが完了するまでは実印にはなりませんのでご注意ください。印鑑を登録すると印鑑登録証明書が発行されるようになり、登録した印鑑の押印と印鑑登録証明書を合わせることで、実印であると認められます。
実印は住宅の購入や車の購入など重要な契約を結ぶ際に使われるもので、契約の締結が自分の意思であることを信憑性のある証拠として残すためのものでもあります。そのため、実印の登録は一人一本までという制限があります。実印に登録するための1人に1本の印鑑として、唯一無二のデザインに近いものを作成するのがおすすめです。押印した印影に描かれる書体、印影のサイズ、手彫りか機械彫りかをそれぞれ選ぶことで、オリジナルの実印を作ることができます。他と被らない実印を作成するためには、書体については読みにくいものを選び、サイズについては実印としての威厳を感じられるサイズを選定し、機械でなく手彫りによる彫刻をすることがおすすめです。ただし、注意点として実印で登録するためには規定のサイズを守る必要があります。
実印登録できるサイズ
実印として登録できる印鑑のサイズについてご紹介します。実印のサイズというのは印鑑を手に収める素材の部分の大きさではなく、押印した後に残る印影の大きさのことです。一辺が8mmより大きく25mm以内の四角形に収まるものと定められています。小さすぎても実印として登録できないですし、存在感を大きく見せようとサイズを大きくしても規定を超えるサイズだと登録できません。印鑑専門業者では実印用の素材や規格を用意していますので、実印作成の旨を伝えて作成依頼をすれば、問題なく役所の規定に沿ったものを作ることができるでしょう。業者によっては、登録を拒否された場合にアフターケアとしての修正をしてくれる業者もありますので、ぜひ問い合わせをしてみてください。
一般的な実印のサイズ
実印として登録できる印鑑のサイズが8mmより大きく25mmより小さいものであるにしても、結構な幅がありどれくらいの大きさが適切なものなのか、知識がない状態では判断しづらいかもしれません。印章店では複数の規格が用意されており、役所の規定の範囲内で好みのサイズ・使いやすいサイズを選ぶことができます。具体的には、10.5mmを最小サイズとして、12mm・13.5mm・15mm・16.5mm・18mmと1.5mmずつ違う規格が用意されています。このサイズは実印以外の銀行印や認印を作成するサイズでもありますが、
実印として一般的に選ばれるサイズとしては、男性の場合は15mm〜18mm、女性の場合は13.5mm〜15mmの印鑑を作成するケースが多くなっています。男性の場合は女性より手のひらサイズが大きいことやフルネームでの刻印が好まれることから大きめのサイズが選ばれています。一方女性の場合は手が小さいことはもちろんですが、将来的な苗字の変更も考慮して名前のみ刻印できる小さめのサイズを選ぶことが多くなっています。最終的には個人の好みや使いやすさにサイズの変化は影響されますので、オリジナルで作成をする印鑑を手に取る経験がない場合は、一度印章店を訪れてみて、実際の感触を確かめてみるのも良いでしょう。
銀行印・認印とのサイズの違い
実印のサイズを検討する場合、個人で使用する他の印鑑の作成も考慮しながら選ぶケースもあります。個人で使う印鑑としては銀行印と認印があります。
銀行印とは
銀行印とは、銀行などの金融機関に届け出をするための印鑑のことです。ネットバンキングが普及したことであまり馴染みのない人もいるかもしれませんが、銀行口座の開設や、窓口での現金引き出しや振り込みをする際に、銀行印が必要になります。銀行印には特に決められた規定はありませんが、一般的に適正なサイズ感としては、男性であれば13.5mm〜15mm、女性であれば12mm〜13.5mmの範囲で選ばれるケースが多いです。実印との区別ができるようひと回り小さいサイズを採用します。
認印とは
認印とは、実印や銀行印のように機関に届出や登録をしていない印鑑全般のことです。婚姻届や住民票の申請など役所での手続きに使用することが多く、荷物の受け取りの確認印など幅広い使用用途があります。日常的に使うものであるため、セキュリティ面を考慮して実印や銀行印とは分けて保管・管理をするのがおすすめです。また、認印の代用品として、インクが内蔵されており使いやすいシャチハタがありますが、事務作業や荷物の受け取り確認以外では使用不可の場合が多々ありますので、別途認印は準備しておいた方が良いでしょう。
銀行印・認印とのサイズの違い
それでは実印と銀行印・認印とのサイズの違いについて見ていきましょう。基本的には「実印>銀行印>認印」のように、重要度の高い順に異なるサイズでそれぞれの印鑑を作成するのが一般的となっています。上記でご紹介してきた男女別のサイズ感をまとめてみると、作成するサイズは以下の表のような区分けが目安となります。
平均すると、実印の場合は15mm、銀行印の場合は13.5mm、認印の場合は10.5mmになりますので、表の数字を基準に前後のサイズと比較して自分に合ったサイズを選ぶと良いでしょう。
法人向け実印のサイズ
個人の実印についてご紹介してきましたが、法人の印鑑でも実印があります。法人の実印の概要と適切なサイズについて解説します。
法人向け実印とは
法人の実印は、個人の実印と同様に、法人が使う印鑑の中で最も重要度の高い印鑑です。代表者印とも呼ばれており、会社の代表者としての意思決定を示すものになります。個人の実印の場合は市町村の役所で登録手続きをおこないますが、法人の実印の場合は法務局で登録の手続きをおこないます。理由としては、個人の出生届は役所で手続きしますが、法人設立の手続きは法務局でおこなうからです。登録後は個人の場合と同様に、法人実印の印鑑証明書を発行できるようになります。法人印鑑の押印と印鑑証明書の提出をおこなうことで、会社を代表する者が契約内容に同意したことを公的に証明する証拠となります。法人の実印が使用されるケースとしては、法人設立・不動産売買・融資契約・企業買収などがあり、いずれも重要度の高い契約の際に使用します。
法人向け実印のサイズ
法人向けの実印のサイズですが、個人の実印と同様に、登録ができる印鑑のサイズが決まっています。具体的には、一辺が1cmを超え3cm以内の四角形に収まるものであると定められています。個人の実印が8mmから25mmでしたので、個人のものよりも若干大きめなサイズの規定となっています。印章店で用意されている規格としては、18mmや21mmが定番となっています。個人の実印の場合最大のサイズの規格が18mmですから、専門店で用意されている規格もひと回り大きいですね。18mmが法人の実印に最も多く選ばれるサイズですが、社名が長い場合は21mmを選ぶことで、文字がつぶれず印影に重厚感を出すことができます。ちなみに、法人の印鑑でも実印の他に銀行印や角印をセットで作成するケースが多く、セットでお得に販売されています。
まとめ
実印のサイズの選び方について解説しました。実印は役所に登録する条件さえ満たせば、あとは自由にデザインをすることができますが、銀行印や認印とも区別がつくよう調整しなければなりません。ただし、実印に適した規格は男女別・用途別に揃っていますから、印鑑ショップで紹介されているものであれば、それぞれの条件を満たした実印を作ることができるはずです。この記事が、実印作成の参考になれば幸いです。