【実印作成のポイント】作成時の規定から登録の方法まで解説

社会人になると住宅購入などの大きな契約を結ぶ機会があります。そのような場で必要になるのが実印です。
実印の作成にはルールがありますので、この機会に実印作成の基本をおさえておきましょう。この記事では、実印作成のポイントや登録の方法までを解説します。これから実印の作成を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

実印とは

実印とは、市区町村の役所で印鑑登録をしたハンコのことです。契約書などに印鑑登録をした実印で押印することで、本人の意思で契約を締結したことを公的に証明できるようになります。
印鑑登録をおこなうと印鑑登録証明書を発行することができ、重要な契約を結ぶ際に提出を求められることがあります。
実印の使い道としては、不動産売買取引・遺産相続・公正証書の作成・ローン契約・保険契約・自動車売買契約・法人設立などがあります。

実印を作る前に決めること

実印を作る際は、サイズ・書体・刻印・素材を事前に検討しておきましょう。

サイズ

まずは実印のサイズを検討します。自治体に登録できる実印のサイズにはルールがありますので、自治体が定める規定に合った印鑑の作成をおこないます。実印のサイズ規定では、一辺が8mmの四角形より大きく、一辺が25mm以内の四角形に収まる印鑑であることが定められています。男性であれば15mm〜18mmが、女性であれば13.5mm〜16.5mmの範囲で実印を作成すると持ちやすく押印しやすい印鑑を作ることができます。

彫刻内容

実印で彫刻する名前は、フルネーム、苗字のみ、名前のみのいずれかを選びましょう。
男性の場合はフルネームを刻印するケースがほとんどで、印鑑のサイズが大きいためフルネームを刻印するのに十分なスペースが確保されています。
女性もフルネームを刻印する方が多いですが、苗字が変わることもあるため、特に未婚の女性は名前のみを刻印するケースもあります。
名前だけの刻印ですと、フルネームでの刻印より偽造などのリスクが高くなりますが、難読な書体を選ぶことでリスクの軽減を図ることが可能です。

書体

実印の書体は、認印で求められる誰のものか第三者でも読みやすいようにするというよりかは、読めなくても印鑑登録証明書と照合できることの方が優先度は高いです。
そのため難読な書体を選んでも問題ありません。むしろ難読な書体の方が偽造のリスクを抑えることができます。
印相体や篆書体などは文字の線が歪曲するなど複雑な形をしていて、縁起が良い書体という認識もあるためおすすめです。

印材(印鑑の素材)

1本を長期にわたって持ち続ける実印の素材として求められる条件としては「耐久性」と「捺印性」です。
実印は役所に登録をして重要な手続きの際に利用します。簡単に破損や摩耗してしまっては、その度に登録手続きや契約の関係者に連絡をしなければなりません。耐久性があり長期的に使えて、かつインクの擦れがないしっとりした使い心地のある素材を選ぶ必要があります。
実印の素材としては象牙が王道でしたが、近年では半永久的に使用できるチタンが選ばれるようになりました。
また水牛など個性のある素材から気に入ったデザインの印鑑を作成することができます。

実印作成のポイント

実印を作成する際の5つのポイントをおさえておきましょう。

予算を確認

まずは印材(印鑑の素材)ごとの相場を確認しておくと良いでしょう。実印の王道の素材である象牙の場合は20,000円〜70,000円の価格帯になっています。チタンの場合は10,000円〜27,000円、黒水牛の場合は4,000円〜18,000円、本柘の場合は7,000円〜15,000円となっています。女性の場合はオランダ水牛(7,000円〜18,000円)、また紅水晶(15,000円〜24,000円)を中心とした天然石は見た目にも華があり人気です。エコな木材を利用したアグニ(7,000円〜15,000円)などもあります。

実印に適した素材

実印におすすめの素材としては、男性に人気なのはチタンや天然黒水牛、女性に人気なのはオランダ水牛や天然石です。実印を登録した後に枠や文字が書けてしまうと、印影が変わったとみなされ使用できなくなりますので、できるだけ丈夫な素材をお選びいただくことをおすすめしています。

男性人気

男性の実印素材として人気が上昇しているのがチタンです。チタンはゴルフクラブや医療器具にも使用されるような丈夫な素材であり、印鑑の素材としては最も強度が高く耐久性に優れた素材です。見た目にも使い心地にも重厚感を感じられます。

また、象牙に並び伝統的に実印の素材として選ばれているのが黒水牛です。水牛の角の芯の部分を素材として使用しているため耐久性があり、インクが良くなじんで押印する際のなめらかな使い心地が特徴です。

女性人気

女性の実印素材として人気があるのはオランダ水牛です。1本1本違う黒い模様(フ)が入ったオランダ水牛と、フのない白オランダ水牛があります。
天然石の印鑑は宝石のような見た目をしており、パワーストーンの美しさに惹かれる女性が多いです。
ただし、チタンや水牛に比べると耐久性に劣るため、慎重な保管が必要になります。

また、動物系の素材を使わない素材としてアグニも近年需要が増えています。木製の素材は欠けやすく歪みやすいデメリットがありましたが、人工樹脂との合成素材を形成することで、衝撃に強い耐久性と押印しやすい伸縮性を兼ね備えた印鑑を制作することができるようになりました。

作成にかかる時間

実印の作成は店舗を持つ印鑑専門業者か印鑑のネットショップに依頼します。
はんこ屋さん21店舗で作成を依頼する場合は最短で即日平均で翌営業日には受け取れます。対面で相談し、要望も伝えられますし、素材やサイズを手で直接確認できる点がおすすめです。

印鑑の彫刻方法で納期が変わり、目安は機械彫りで翌営業日、職人が彫刻する手仕上げで7~10日、完全手彫り8~12日程度です。またチタン製の印鑑の場合には工場で5~7日程度となります。

お得に購入するなら「セット購入」

実印をさらにお得に購入したい場合は、セット購入がおすすめです。実印だけでなく銀行印や認印とのセットは、単品で買うよりお得に購入できます。法人の場合もセットでの印鑑購入が可能です。法人で使う印鑑は実印だけではないため、セットでの購入の方が後々の手間も省略できるはずです。

実印の登録方法

最後に作成した印鑑を実印として登録する方法を解説します。

登録できる印鑑

まずは実印として登録できる印鑑とそうでない印鑑の違いを確認しておきましょう。繰り返しになりますが、実印として登録できる印鑑は、印影のサイズが一辺8mmの四角形より大きく、一辺25mm四角形に収まる印鑑である必要があります。印鑑の作成業者に依頼すれば間違ったサイズで作成されることはありませんが、知識として知っておくと良いでしょう。

登録できない印鑑

登録できない印鑑は、印影に氏名以外の彫刻が存在する印鑑やゴム印・シャチハタなど印影が変形しやすい恐れのある印鑑です。押印した印影が不鮮明であっても登録を拒否される可能性がありますので、印鑑マットを敷いて押印するなど、押印方法にも注意するようにします。

印鑑登録の流れ

印鑑登録の流れとしては、住民票のある自治体の役所での手続きとなります。窓口に設置してある印鑑登録の申請書に必要事項を記入し、登録する印鑑と共に提出します。申請が受理されると印鑑登録証が交付されます。印鑑登録証は印鑑登録証明書を発行するためのカードです。この印鑑カードを使用すれば、重要な契約の必要書類として求められた際に、印鑑登録証明書の交付申請ができるようになります。

印鑑登録に必要なもの

印鑑登録に必要なものは、登録する印鑑・免許証などの身分証明書・登録費用の3点です。

印鑑登録できる人

印鑑登録ができる人は、15歳以上の日本在住者に限られます。ただし、法律行為が認められている被保佐人や被補助人であれば実印の登録が可能です。また、外国籍の方も住民票を持っていれば、日本人と同じ手続きで実印を登録することができます。

まとめ

実印の作成ポイントについて解説しました。実印は、押印した印影を他人に読んでもらう必要がありません。偽造や悪用を防止するため、できるだけ難読なデザイン・彫刻方法を選ぶことをおすすめします。この記事が実印作成の参考になれば幸いです。

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