朱肉を使うときに押えておきたいポイントについて解説

はんこを押す時にいつも何気なく使っている朱肉ですが「なぜ印鑑に朱肉を使うのか」「スタンプ台ではダメなのか」と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では印鑑に朱肉を使う理由や使うときに押さえておきたいポイントについて解説します。おすすめの朱肉もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

朱肉を使うのはなぜ?

印鑑を押すときに朱肉を使うのは、正しい印影を長く残すためといわれています。印鑑を押すときに朱肉を使う理由と、朱肉の種類についてみていきましょう。

朱肉とは?

印鑑を押すときに使う朱色のインクのことを朱肉といい、インクが浸透している印肉(いんにく)部分と容器を含めて朱肉と呼びます。朱肉は大きく分けて「スポンジタイプ」「練りタイプ」「印泥」の3種類があり、現在ではスポンジに朱肉を染み込ませたスポンジタイプの朱肉が主流です。朱肉は主に契約書などの大事な書類に押印するときに使われ、ハンコ文化が浸透している日本ではなくてはならない存在となっています。

朱肉を使うのは印影を長く残すため

印鑑を押すときに朱肉を使うのは、正しい印影を長く保存するためといわれています。朱肉は油性顔料で作られているので、紫外線にさらされたり水に濡れたりしても変色や退色がしにくいのが特徴です。朱肉を使用して印鑑を押すと印影が滲みにくく、長期間鮮明な印影を残すことができます。

朱肉の歴史はとても古く、日本では奈良時代の頃から朱肉が使われてきました。その時代に押印された印影は現在でも鮮明に残っており、朱肉がいかに印影を長く保存できるかがわかります。現在において大事な書類に朱肉を使って押印するのは、朱肉で押した印影が長く保存できることが大きな理由です。

朱肉の種類

朱肉の種類はスポンジタイプをはじめ、練りタイプ、印泥の3種類があります。タイプによりインクの特性や使い方が異なります。普段使いにはスポンジタイプ、公用書類には練りタイプのように使い分けできると便利です。

スポンジタイプ
現在最も主流な朱肉は、スポンジにインクを浸透させたスポンジタイプです。練りタイプや印泥よりインクの乾きが早く、蓋を開ければすぐに使えるので実用的なのがメリット。インクを補充すれば繰り返し使えるので、コスパにも優れています。使い方はスポンジの上を印鑑でトントン叩けば、かんたんに朱肉がつくのでかんたんです。

練りタイプ
練りタイプといわれる朱肉は、銀朱という顔料にひまし油などを溶かし、さらに和紙などを混ぜて練り固めたものです。スポンジタイプの朱肉より重厚感のある色味をしているので、主に公用書類や絵画などに使われています。練りタイプの朱肉は変色や退色のしづらさがメリットですが、朱肉が乾きにくいので実用には向いていないかもしれません。

使い方は基本的にはスポンジタイプと同じですが、年月が経つと朱肉が固くなることがあります。使用する前に朱肉を少し温めて、練り直してから使用しましょう。

印泥
印泥(いんでい)は中国発祥の、練りタイプの朱肉のひとつです。「もぐさ」と呼ばれるよもぎを乾燥させたものを原料としているため、朱と油が分離しやすい特徴があります。使用する際はヘラでよくこねて、だんご状にしてから使うのがポイントです。練りタイプと同様に、公用書類などによく使われています。

朱肉とスタンプ台の違い

朱肉と混同されやすいスタンプ台ですが、実は朱肉とスタンプ台はまったく別物です。朱肉が油性顔料を使用しているのに対して、スタンプ台は水性インクを使用しています。印影の滲みやすさや保存性も異なるため、朱肉として使うことはできません。スタンプ台は主にゴム印に使用し、朱肉は印鑑に使用するものです。

また、水性インクを使用したスタンプ台は時間が経つと退色や変色しやすいので、契約書など重要な書類への使用は向いていません。契約書をはじめとした長期保存が必要な書類には、印影が残りやすい朱肉を使用しましょう。

 朱肉スタンプ台
インクの性質油性水性
滲みやすさ滲みくい滲みやすい
紫外線強い弱い
長期保存向いている向いていない
使い分け印鑑ゴム印

 

印鑑にスタンプ台を使用できない理由

先述したように、朱肉とスタンプ台はインクの性質が異なります。そのため、印鑑にスタンプ台を使用すると、インクに含まれる溶剤が原因で印鑑が破損する可能性があるので注意してください。
たとえば、アクリルや樹脂素材でできた印鑑に溶剤が含まれるスタンプ台を使用すると、印面が溶ける恐れがあります。水牛系の印鑑においては印面にひび割れを起こす恐れがあるので、十分注意してください。すべてのスタンプ台で問題が起こるわけではありませんが、印鑑には必ず朱肉を使用しましょう。
反対に、ゴム印に朱肉を使用すると溶剤の油分でゴムが溶けてしまいます。間違った使い方をすると大事な印鑑を傷めてしまうので、正しく使い分けて使用することが大切です。

朱肉の正しい補充方法

スポンジタイプの朱肉に限っては、補充液や朱の油を使って朱肉を補充することができます。ただし補充方法によっては印鑑の押し心地が悪くなるので、正しい補充方法と手順を把握しておきましょう。

STEP1.補充インクと必要な道具を準備する

朱肉を補充するときに大切なことは、使用している朱肉と同じメーカーの補充インクを使うことです。補充インクは文房具店をはじめ100円ショップなどさまざまな場所で販売されていますが、実は商品によって成分が若干異なります。場合によっては朱肉の変色や成分の分離など、品質面で問題が起きる可能性があるので必ずメーカーを揃えて準備しましょう。

そのほか、朱肉を補充するときは新聞紙を床に敷いておくと部屋を汚さず補充ができるので便利です。また、補充が完了したあとに余分な朱肉を拭き取るために、ティッシュペーパーを用意しておきましょう。

  • 新聞紙
  • ティッシュペーパー

STEP2.補充インクをしっかり振る

補充インクを用意できたら、キャップがしまっていることを確認して上下にしっかり振って中身を均一にしましょう。補充インクの中身は成分が分離していることがあるので、そのまま補充すると色味に偏りが出る可能性があります。

STEP2.少しずつインクを浸透させる

補充インクのキャップを外すと先端がノズルになっているので、朱肉のスポンジ部分に押し当ててインクを浸透させていきます。一か所に補充するのではなく、円を描くようにスポンジ全体に補充しましょう。この工程を5回程度繰り返せば、インクの補充が完了です。

注意点として、インクの補充はゆっくり丁寧におこなうことがポイントになります。一気にインクを補充すると失敗の原因になることから、面倒かもしれませんが数回に分けて少しずつ補充しましょう。

STEP3.余分な朱肉を拭き取る

インクの補充が完了したら、朱肉にしっかりインクを浸透させるために30分ほど放置してください。そして最後にスポンジの表面をティッシュペーパーで拭いて、余分なインクを取り除きます。朱肉にインクを補充しすぎると朱肉が濃くなりすぎるので、忘れずに余分な朱肉を拭き取りましょう。

STEP4.試し押しをして朱肉の濃さを確認

朱肉を補充したあとは、一度印鑑を試し押しして朱肉の濃さを確認してください。朱肉が濃すぎるときはティッシュペーパーで余分なインクを取り除き、薄すぎるときは同じ手順でインクを追加して調整しましょう。

おすすめの朱肉

朱肉を選ぶときは、印鑑を使う目的やシーンに合わせて選ぶのがおすすめです。

速乾性に優れた速乾朱肉(シャチハタ)

大量に印鑑を押すときに便利なのが、速乾性に優れたスポンジタイプの朱肉です。朱肉の乾きが遅いと書類を重ねられず、デスクが散らかってしまったことがる方もいるのではないでしょうか。速乾性のスポンジタイプの朱肉なら、乾燥時間は約3秒ほどでくっきりと印影が残ります。サイズも大小さまざま販売されているので、常備用と携帯用で用意すると便利です。

日光印 印泥(モリヤマ)

公用書類や書道、絵画などに使用するなら日光印の印泥がおすすめです。質のよい朱肉はツヤがあり、重厚感のある朱色に発色します。使用する前にヘラで練る必要はありますが、印影がくっきり濃く出るので高級感も感じられるでしょう。

シュスタ(モリヤマ)

印鑑とゴム印の両方を使用するなら、朱肉とスタンプ台が一体型になっているものを選ぶと非常に便利です。大きさもコンパクトなので、デスクの上が散らかりにくく収納もしやすいでしょう。薄型なうえ蓋がついているので、持ち運びにもぴったりです。

シュイングベベ(Sanby)

シュイングベベはスライドケースに入った、持ち運びに便利なコンパクトな朱肉です。速乾性に優れたスポンジタイプの朱肉なので、業務効率アップに役立つでしょう。ケースのカラーは全部で7色あり、スタイリッシュさと利便性を兼ね備えた朱肉です。

まとめ

ふだん何気なく使っている朱肉ですが、種類によって使いやすさが異なるため使い分けるのがポイントです。朱肉は適切な使い方をしないと押した印影の良し悪しに関わるので、用途に合ったものを選んで使用しましょう。本記事を参考に、朱肉の使い方を押さえてぴったりの朱肉を選んでみてください。

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