「三文判」という言葉を耳にしたことのある方は多いでしょうが、実際にどのような印鑑が三文判なのか分かるという方は少ないように思われます。印鑑には実印や銀行印、認印などがありますが、三文判はこれらやシヤチハタとどう違うのでしょうか。そこで、本記事では三文判について解説します。
三文判とは
三文判とは、大量生産された安い価格で購入できる印鑑のことを指し、特に正確な定義があるわけではありません。とても安いということを表す言葉「二束三文」からきていると言われています。
ホームセンターや100円ショップなどに置いてある既成品の印鑑が三文判にあたります。
三文判の材質は、プラスチック製や樹脂製のものが多く、お手頃の価格で購入できる特徴があります。
三文判は、印章店やホームセンタ、文具店などですぐに購入できるメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。
三文判と通常の印鑑は異なるの?
三文判も通常の印鑑と同じ効力を持ちます。しかし、三文判は大量生産されている既製品なので、偽造やなりすましのリスクがあります。一方、印鑑を彫刻してくれる印章専門店で印鑑を購入すれば、オーダーメイドで世界に1本だけのオリジナルなので、偽造される心配はありません。実印や銀行印として三文判を使用する際には、使用用途を考える必要があります。
三文判の使い方
三文判は、大量生産された安価な印鑑のため使い方にいくつか注意点があります。不正リスクが常に伴うため、適した場面で使用しなければいけません。三文判を使用する際には、次のことを意識して使用しましょう。
三文判を使うべき場面
三文判を購入すると不正リスクが伴うため、重要な取引や銀行の認印などにはあまり向きません。ですが、上手く使えば三文判のメリットを活かせます。たとえば、配達の受け取りなどで印鑑を押すときです。玄関の棚に高級な実印を置いておき使用する人もいますが、高級な印鑑を玄関の棚に置いておくのは盗難のリスクがあります。
配達用の印鑑をもうひとつほしい場合に三文判が有効的です。玄関の棚に三文判を置いとくと、わざわざ実印を家の中まで取りにいかなくても済みます。それ以外にも、緊急で必要な印鑑として、もう一つ持っておく人もいます。印鑑を忘れてすぐに使いたい場合に、ホームセンターに行って購入される方もいます。
三文判を実印として使うことができるか
三文判を実印として印鑑登録できるのか気になる人も多いでしょう。三文判も印鑑登録できます。しかし場所によっては、登録を拒否される場合があるため事前の確認が必要です。先ほども申し上げたとおり、三文判は、安価で大量生産されている印鑑です。だれでも入手可能なので、三文判を印鑑登録することは推奨されていません。
苗字と住所などがわかれば、印鑑を利用して悪用されるケースも多々あります。
また、三文判は、安価なため損傷しやすいデメリットがあります。印影部分が欠けたりすると実印としての効力を発揮できなくなり、新しい印鑑を用意しなければいけなくなります。そのため、印鑑登録する実印を用意する場合は、印鑑の専門店で作成したオリジナルの印鑑を使用するのがよいでしょう。
三文判を銀行印として使うことができるか
三文判は通常の印鑑と同じ効力を持つことから、銀行印として登録もできます。しかし、実印と同じように悪用のリスクがあるため、おすすめはできません。また、三文判は長期保管に向いていないため銀行印などの登録する印鑑には不向きです。銀行印としておすすめの印鑑は、耐久性が高いものです。実印と認印の印鑑は、はんこの専門店で購入するのがよいでしょう。
三文判とその他の印鑑との違い
三文判と他の印鑑にはどのような違いがあるのでしょうか。朱肉を必要としない印鑑や高級感ある印鑑など、はんこにはいろいろな種類があります。具体的にどんな種類があるかみてみましょう。
三文判とシヤチハタとの違い
シヤチハタとは、朱肉を必要とせず、印面にインクを浸透させた印鑑のことをいいます。シヤチハタのメリットは、朱肉を必要としないため、シヤチハタを持っているだけで印鑑を押せます。イメージとしては、スタンプに近い感覚です。安価なシヤチハタは、三文判の分類に属します。
契約書に印鑑を押す際に、「三文判可能、シヤチハタ不可」という指示がある場合があります。その際には、シヤチハタは使用できないので、通常の印鑑か三文判で捺印する必要があります。
その他の印鑑と三文判の違い
三文判はホームセンターや100円ショップで購入できますが、実印や認印として印鑑を使用する際には、印鑑の専門店で購入するようにしましょう。印鑑にはさまざまな種類があり、黒水牛や象牙、チタンなどさまざま素材で作られます。
人生の中で、実印が必要なタイミングは想像以上に頻繁にあります。ご自身のオリジナルの気に入った印鑑を用意していれば、捺印するのが楽しくなるかもしれません。良質な印鑑は耐久性も高いので、専門のはんこショップで購入して、実印や認印として使用していきましょう。
重要な契約書などには三文判は避けましょう
三文判は安価に入手できますが、法的効力も持っているため、通常の印鑑と同じ効力を持ちます。重要な契約書などで三文判を利用すると、第三者の悪用リスクが高まるため、三文判を使用しないのが推奨されます。重要な契約書には、自分だけのオリジナルの印鑑で捺印するようにしましょう。
まとめ
三文判は、大量生産されている印鑑のため偽造されやすいデメリットがあります。一方三文判は、どこにでも売っているためすぐに購入できるメリットもあります。緊急用や第二の印鑑としての利用が望ましいです。実印や認印としては、三文判は適さず、はんこの専門店で購入した印鑑をおすすめします。三文判の適切な利用方法を理解して、上手く使っていきましょう。
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