「結婚して姓が変わるんだけど、新しい印鑑はいつまでに必要?」と考えている方や「結婚したらどんな印鑑が必要?」と考えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。そこで本記事では結婚したら必要になる印鑑について男性・女性別に解説します。
結婚したら必要になる印鑑とは?新姓の印鑑が必要な場面
「結婚しても自分用の印鑑が必要なのか分からない」と悩んでいる人もいるでしょう。結論からいうと、結婚しても自分用の印鑑は必要です。結婚して名字を変更すると旧姓の印鑑は使用できなくなるため、新しい印鑑を用意しましょう。
個人で印鑑を使用する場合は、「実印」「銀行印」「認印」の3種類の印鑑を用意するのが好ましいです。
それぞれ、次のようなシーンで利用されます。
用途の例 | |
実印 |
|
銀行印 |
|
認印 |
|
実印は重要な契約で使用します。結婚後でも不動産や自動車を購入するケースは珍しくないため、可能であれば用意しましょう。
銀行印は、主に金融機関での手続きや契約に使用されます。結婚後でも引き出しや引き落としのシーンは多いため、用意しておくのが大切です。
認印は、日常生活で使用する書類への押印に使用します。結婚しても書類へ押印する機会は多いので、必ず用意しましょう。
すでにそれらの印鑑を持っている場合でも、名字が変わると旧姓の印鑑になるため使用できなくなります。「押印したい場面で使用できる印鑑がない」と困る場合もあるので、名字が変わったときは印鑑を作り直しましょう。
結婚すると夫婦間で同じ苗字になるので、どちらかがこれまでの印鑑が使えなくなります。男性と女性の場合に分けて、結婚後の印鑑について解説します。
女性
女性の場合も苗字が変わるときは、新しい印鑑が必要になります。旦那様が印鑑を持っておけば、新しい印鑑を用意しなくてもよいのでは?と思う人もいるでしょう。しかし、旧姓の印鑑を使用したこれまでの契約は基本的に変更になります。変更する際に、新しい印鑑がないと変更できないため、苗字が変わる場合は新しい印鑑を用意しましょう。
男性
男性の苗字が変わる場合は、新しい印鑑が必要です。
結婚後に苗字に変更がなければ、これまでと同様の印鑑を使用できます。夫婦の多くは、男性の苗字を引き継ぐことが多いため、苗字に変更がある人は新しい印鑑が必要と思えば大丈夫です。
しかし、なかには結婚をよい機会として、新しい家族の印鑑を用意するご家庭もあります。男性はチタン製の印鑑がとくに人気があるので、新しい印鑑を一つ持って新生活に備えるのもよいでしょう。新しい門出にご夫婦で新しく印鑑をそろえることも多くあります。
それぞれの印鑑の用途
結婚後は男性も女性も新しい印鑑が必要です。具体的にどのような使用用途で必要になるかみていきましょう。
結婚後に必要になる印鑑①実印
結婚後でも実印を使う機会はありますが、結婚を機に専業主婦になるでも実印の用意をしておきましょう。自動車の購入や住宅ローンの購入など、安定収入があることを前提とした契約に実印が用いられるためです。
このような契約書は、自分名義ではなく夫の名義で契約することも多いでしょう。契約書へ押印する実印は契約者本人の印鑑だけが求められるため、夫が実印を持っていれば問題ないケースも少なくありません。
しかし、共働きで夫婦連名の住宅ローンなどを利用する場合は、契約書を作成する際に奥様側の実印も必要になることがあります。旦那様が専業主夫になるケースなど、奥様名義で住宅ローン契約する場合も実印が必要です。
契約時に印鑑がなくて押印できない事態を防止するため、奥様と旦那様の両方が実印を持っておくと安心できます。
おすすめの実印は、以下を参考にしてください。
印鑑の要素 | 詳細 |
書体 | 印相体 |
サイズ |
|
素材 |
|
印相体は可読性が低く偽造されにくい書体なので、重要な契約に使用される実印に適しています。
女性は男性と比べて手が小さい傾向があるため、サイズはやや小さめの15.0mmがおすすめです。文字数の多いお名前の場合には1サイズUPの16.5mmで作成しても良いでしょう。
実印は重要な印鑑なので、なるべく丈夫な素材で作りましょう。中でも水牛系の素材は、強度だけでなく粘りにも優れているので、実印の素材として最適です。
それ以外にも、耐久性が高く捺印しやすい象牙や、天然石を使ったパワーストーン印鑑、最も丈夫で摩耗もほとんどないチタン印鑑がおすすめです。
結婚後に必要になる印鑑②銀行印
結婚によって名字が変わる場合は、銀行印も早急に作り直しましょう。結婚によって名字が変わると銀行口座の名義を変更するので、印鑑も一緒に変更すると楽に済ませられます。
結婚前から使用している印鑑が下の名前だけ刻印されているものであれば、印鑑を変える必要はありません。旦那様の名字が変わるケースでも、奥様側の変更は不要です。
おすすめの銀行印は、以下を参考にしてください。
印鑑の要素 | 詳細 |
書体 |
|
サイズ |
|
素材 |
|
銀行印は大切な金融口座で使用しますので、可読性の低い印相体や篆書体を選ぶのがおすすめです。
サイズは12.0mmや13.5mmが女性向けです。より大きなサイズを選択しても問題ないので、好みに合わせて選びましょう。
結婚後に必要になる印鑑③認印
名字が変わる場合は、認印用の印鑑も作り直す必要があります。認印は役所などで登録をしない印鑑なので、変更を急ぐ必要はありません。奥様と旦那様の両方が認印を持つと楽ですが、事情があって複数作れない場合は夫婦で共有することも可能です。
おすすめの認印は、以下を参考にしてください。
印鑑の要素 | 詳細 |
書体 |
|
サイズ |
|
素材 |
|
認印は日常で利用することが多いため、古印体や楷書体のような読みやすい書体で作るのがおすすめです。中でも古印体は印鑑としてなじみがあり、可読性も高いため認印に適しています。
サイズは自由に選んでも問題ありませんが、ビジネス用途で作る場合は上司よりも大きいサイズにしないよう意識しましょう。人によっては、失礼ととられるおそれがあるためです。自分が役職持ちの場合は、部下に気を遣わせないよう大きいサイズを選んでください。
結婚と印鑑に関するよくある質問
結婚すると、どのタイミングで新しい印鑑を用意すべきなのか迷われる人も多いです。婚姻届けの印鑑やどんな実印を用意すればいいかなど、結婚と印鑑に関するよくある質問に関して解説します。
いつまでに必要?
苗字が変わる方は、入籍する前もしくは入籍日の当日に新しい印鑑を用意するのがよいでしょう。入籍すると苗字が変わり、新しく手続きすることも多くなります。さまざまな手続きで新しい苗字の印鑑が必要になったときに焦らないためにも、事前に準備しておくことをおすすめします。
印鑑を事前に準備しておくと、婚姻届けを提出する同じ日に実印登録をすることが可能です。何度も役場に行く必要がないため、婚姻届けと新しい印鑑をもって役場に行きましょう。
入籍して苗字が変わると、様々な登録変更が必要ですので、新しい印鑑を作るタイミングとして入籍日を一つの目安とするとよいでしょう。
新姓の印鑑が仕事で必要になることはある?
新しい姓に変わっても、職場では旧姓を使うということはよくお聞きします。
免許制の職業の場合は、法律によって決まりがあるのが特徴です。弁護士や行政書士などの士業は、前もって届け出をすれば旧姓の印鑑を使用できます。
最近では、ほかの職業で旧姓併記ができるケースも増えています。看護師や宅建士などは法律により、姓名が変わったときに変更手続きが必要です。このような職業の方は、新姓の印鑑を用意しなければいけないでしょう。
持っている資格や職場によって決まりがあるため、新姓の印鑑が必要かは前もって確認することが大切です。
実印はフルネームで作成?苗字だけ?
実印の作成は、フルネームでも苗字だけでもどちらでも登録できますが、1人に1本の重要な印鑑ですので、フルネームで作ることが多いです。女性の場合、苗字が変わることを見越して下の名前で実印を作っていた方は、苗字が変わった場合でも。引き続きこれまでと同じ印鑑を使用できます。もし結婚後新しく作る場合は新しい苗字のフルネームで印鑑を作成することをおすすめします。
婚姻届に押す印鑑は何を押せば良い?
婚姻届けに押す印鑑は、実印でも認印でも問題ありません。とくに指定がないため、三文判などでも可能です。ただし、婚姻届けは人生においても重要な押印の機会でもあります。夫婦で新しい印鑑を記念に用意して捺印する人が多いです。
旧姓の印鑑は不要?
苗字が変わると、旧姓の印鑑を使用する機会は減るでしょう。ただし、旧姓で契約した手続きを証明するには、旧姓の印鑑が必要になります。ご結婚後、旧姓から新姓に登録を変更していくとよいでしょう。
新姓になると旧姓の印鑑で新しく契約できなくなりますが、紛失手続きをしたりする際には必要になるため、しばらくはなくさないように大事に保管しておきましょう。
不要になった印鑑の手続きは?
不要になった印鑑を廃止するには、印鑑登録をした市区町村の窓口で手続きを行います。
手続きに必要なものは次のとおりです。
- 印鑑登録廃止申請書
- 印鑑登録証
- 本人確認書類
- 登録している印鑑 など
代理人が手続きを行う場合は、委任状も用意しましょう。
思い入れのある印鑑を処分するときは、印鑑の供養を行うのもおすすめです。印鑑の供養は日本の伝統的な儀式であり、神社によっては印鑑を供養する専用サービスを提供しています。
はんこ屋さん21では、全国のお店で集めた印鑑を10月1日印章の日に毎年供養させていただいております。
自分で印鑑を処分する場合は、次の方法を実施してみてください。
- 彫り直して再利用する
- 印面を削って処分する
- 接着剤で印面を覆う
- 印章店に処分を依頼する
- ゴミとして処分する
高級素材を使っているなどの理由で捨てるのがもったいない場合は、印面を削って新しく印影を彫り直す手があります。個人で作り直すのは難しいため、専門店に依頼するのが無難です。
印鑑を捨てる場合は、印面を削ったり接着剤で印面を覆ったりと工夫を施しましょう。印鑑を使用できない状態にしてから捨てることで、悪用のリスクを低下させられます。
実印におすすめの素材は?
結婚後新しく実印を用意する場合は、チタン製や黒水牛、オランダ水牛などがおすすめです。チタン製のものは見た目の良さだけでなく、耐久性が高く、水洗いできる点でも人気があります。
黒水牛は多くの方に愛される印鑑のひとつで、男性女性ともに人気のある素材です。耐久性も高く、長い間使用しても損耗が少ないことが魅力です。本柘などの木材でできた印鑑は、肌触りがよく女性を中心に人気あります。軽い素材のため、持ち運びに便利です。お好みの印鑑を購入するようにしましょう。
結婚後の印鑑におすすめのサイズは?
女性用の印鑑のおすすめサイズは、以下を参考にしてください。
印鑑の種類 | おすすめサイズ |
実印 | 15.0mm |
銀行印 | 12.0~13.5mm |
認印 | 10.5~12.0mm |
印鑑のサイズは、実印・銀行印・認印の順で小さくなっていきます。夫婦で印鑑を作る場合は、それぞれサイズを変えて作ると見分けやすくなるのでおすすめです。もちろん、女性だからサイズを小さくしなければいけないというわけではありません。
用途によってサイズに規定がある場合を除き、基本的には自由にサイズを選ぶことができます。
印鑑登録はどうやってするの?
印鑑登録する場合は、身分証明証と新しい印鑑を持って窓口で手続きを行いましょう。おすすめとしては、婚姻届けを提出した際に苗字が切り替わったタイミングで印鑑登録するのがよいでしょう。間違っても婚姻届けを提出する前に新しい印鑑登録を行おうとしても、登録できないのでご注意ください。
新婚女性は新しいかわいい印鑑を用意しよう!
結婚後に新しい印鑑を購入する人は、9割を超えます。そのなかでも、入籍前に購入する人が3割以上で、事前に準備している人が多いようです。多くの方が印鑑の専門店で購入し、自分用の印鑑を用意しています。
かわいい印鑑を用意する人がいたり、結婚後のお祝いに高級な印鑑をもらう人もいたりと、新しい印鑑があると結婚後の気分も高まります。新しい自分好みの印鑑を選ぶ機会はあまりないため、結婚を機に新しい自分の気に入った印鑑を探してみるのもおすすめです。
まとめ
結婚が決まると、さまざまな手続きに新しい姓の印鑑が必要になります。スムーズに手続きを行い、新しい結婚生活を早く迎えられるように、本記事を参考に必要な印鑑を準備するようにしましょう。