年賀状DMのメリットは?作るときのポイントや注意点なども解説

年賀状DMとは、名前のとおり年賀はがきをDMで相手に送ることを指します。ビジネスで使用する場合は新年の挨拶をするとともに、セールやお知らせを記載するといった販促ツールにもなります。今回は、年賀状DMのメリットや作成時のポイント、注意点などについて解説します。

年賀状DMのメリット

年賀状DMのメリットは、次のとおりです。

  • 開封率100%
  • DM保管率が高い
  • 競合が少ない
  • 既存顧客との関係を強められる
  • 休眠顧客を掘り起こせる
  • 新規見込み顧客を獲得できる

開封率100%

年賀状は、ほかのハガキ型DMと比べても開封率が非常に高く、ほぼ確実に目を通してもらえる点が最大の強みです。新年の挨拶状という性質上、「とりあえず読んでみよう」と思わせる力があり、受け取った相手に確実にメッセージを届けられるため、高い宣伝効果が期待できます。

さらに、正月は多くの人が自宅で穏やかに過ごす時期であり、届いた年賀状を一枚ずつ丁寧に確認する傾向があります。日常の忙しさから離れて時間に余裕があるため、通常のダイレクトメールよりも文面やデザインをじっくり読んでもらえる可能性が高まります。

こうした状況から、年賀状DMは「見てもらえる」「読んでもらえる」タイミングを自然に押さえた非常に効果的な販促手段といえます。年始の明るい雰囲気の中でポジティブな印象を与えられるため、企業や店舗のブランドイメージを向上させる上でも有効です。

DM保管率が高い

年賀状DMには、一般的なDMに比べて「保管されやすい」という利点もあります。通常のDMは、内容を確認した後すぐに処分されてしまうケースが多いですが、年賀状DMの場合は状況が異なります。

お年玉付き年賀状を活用すれば、抽選日まで手元に置いてもらえる可能性が高まり、結果的に長期間目に留まりやすくなります。さらに、年始限定のイベント情報や割引クーポンなどを記載すれば、より一層保管率を高めることができるでしょう。

競合が少ない

年賀状DMには、他社との競合が少ないという利点もあります。一般的なDMでは「無宛名郵便(配達地域指定郵便物)」を利用でき、顧客リストがなくても特定エリアの全戸に届けることが可能です。25グラムまで57円、50グラムまで67円と、通常郵便よりもコストを抑えて配達できるのが特徴です。

しかし、この配達地域指定郵便物は12月15日から翌年1月14日まで取り扱いが停止されます。そのため、この期間に送付できる年賀状DMを活用する企業は少なく、結果として競合が減少します。限られた時期に届く特別感も相まって、年賀状DMはより高い訴求効果を発揮できるのです。

既存顧客との関係を強められる

年賀状DMは、既存顧客との信頼関係を深める上で非常に効果的な手段です。年賀状は長年にわたり日本の文化として根付いており、新年の挨拶として自然に受け入れられやすい特徴があります。さらに、年始は一般的なDMの送付が少ないため、受け取る側にとっても新鮮で印象に残りやすい時期といえるでしょう。

関係構築を目的とする場合は、商品やサービスの宣伝を前面に出すよりも、「感謝」や「ご挨拶」といった温かみを伝える内容にすることが重要です。日頃の支援へのお礼を丁寧な言葉で伝えることで、企業や店舗への好感度を高め、今後の関係をより強固なものにできます。

休眠顧客を掘り起こせる

年賀状DMは、しばらく利用のない休眠顧客を再び呼び戻す手段としても有効です。過去に一度だけ来店や購入をしたまま離れてしまった顧客は多く存在しますが、そのような相手でも、適切なタイミングでフォローを行えば再利用につながる可能性があります。

新年の挨拶を兼ねた年賀状DMは、営業的な印象を与えにくく、自然な形でアプローチできるのが魅力です。「新年のご挨拶をくれる=誠実で丁寧な会社」という好印象を持たれやすく、再び関心を引くきっかけづくりに最適な方法といえるでしょう。

新規見込み顧客を獲得できる

年賀状DMは、新たな見込み顧客の獲得にも効果的です。お正月は多くの人が前向きな気分で過ごす特別な時期であり、家庭全体が祝賀ムードに包まれています。そのため、購買意欲が高まりやすく、普段は興味を持たない商品やサービスにも関心を示してもらえるチャンスが広がります。

さらに、1月は「新しいことを始めたい」という気持ちが強くなるタイミングです。年賀状DMに新しい提案やキャンペーン情報を盛り込むことで、自然と目を引きやすくなり、新規顧客の獲得につながる可能性が高まります。

年賀状DMを作るときのポイント

年賀状DMを作るときのポイントは、次のとおりです。

  • 顧客によってデザインを変える
  • シンプルなデザインにする
  • 手書き風メッセージを意識する
  • 年始限定の特典をつける

顧客によってデザインを変える

年賀状DMを効果的に活用するためには、ほかの年賀状に埋もれないよう、目的に合わせたデザインを意識することが重要です。まずは、そのDMが新規顧客の開拓を目的としているのか、既存顧客との関係強化を狙っているのかといった目的を明確にしましょう。

例えば、新規顧客を対象とする場合は、商品やサービスの特徴がひと目で伝わるようなデザインが効果的です。休眠顧客に向けて送る場合は、リニューアル情報や新サービスなど、興味を引く要素を盛り込むことで関心を取り戻すきっかけになります。既存顧客を対象とする場合は、温かみのある手書きのメッセージや、親しみを感じさせるデザインにすることで、信頼関係をより深めることができるでしょう。

目的やターゲットに合わせてデザインを工夫することで、受け取った相手に印象づけやすくなり、行動につながる可能性を高められます。

シンプルなデザインにする

年賀状DMを送る際は、通常のDMとは一線を画す「新年らしさ」を感じさせるデザインに仕上げることが重要です。せっかく年賀状形式で送っても、一般的な販促DMと同じようなデザインでは特別感が伝わらず、受け取る側に印象が残りにくくなってしまいます。

デザイン面では、その年の干支をはじめ、門松・富士山・初日の出・梅の花など、お正月を象徴するモチーフを適度に取り入れると効果的です。華やかさや季節感を演出しつつも、全体のトーンは上品で落ち着いた印象にまとめると、幅広い層に好感を持たれます。

ただし、あまりに装飾を多くすると肝心のメッセージが埋もれてしまうため注意が必要です。背景やイラストは控えめに配置し、メインコピーや挨拶文が自然に目に入るレイアウトを意識するとよいでしょう。

手書き風メッセージを意識する

年賀状DMでは、印刷された文面やイラストに加えて、手書き風のメッセージを添えることで、ぐっと温かみのある印象を演出できます。たとえ印刷であっても、「明朝体」や「楷書体」といった筆跡を感じさせるフォントを使用することで、機械的になりがちなDMにも人のぬくもりを感じさせることができます。

また、「いつもありがとうございます」「今年もよろしくお願いいたします」など、短い一言でも相手を思う言葉を添えるだけで、受け取る側の印象が大きく変わります。

結果として、受け取った相手も自然と文面に目を通し、メッセージ内容がより心に残りやすい年賀状DMに仕上がります。

年始限定の特典をつける

新年は「心機一転」「新しいことに挑戦したい」という前向きな気持ちが高まりやすい時期です。そのタイミングに合わせて年賀状DMを送ることで、自然に関心を引きやすくなります。

特に、年始限定のクーポンや優待チケットなどの特典を同封すれば、「せっかくなら使ってみよう」という動機づけが生まれ、実際の来店や購入につながる可能性を大きく高めることができます。

年賀状DMに「新年のご挨拶」と「お得な特典」、さらに「これからの季節に役立つ情報」を組み合わせることで、行動を促す販促ツールとして高い効果を発揮します。

年賀状DMの注意点

年賀状DMの注意点は、次のとおりです。

  • 年賀状らしさを残す
  • 営業らしさを抑える
  • 年賀はがきを用意する
  • 年始に届くよう調整する

年賀状らしさを残す

年賀状DMを作成する際は、「年賀状らしさ」をしっかり残すことが大切です。普段のDMと変わらない内容やデザインでは、年始に送る意義が薄れてしまいます。

営業らしさを抑える

年賀状DMでは、過度な営業色を抑えた表現を心がけることが重要です。「お祝いの便り」として受け取られるように工夫しましょう。

年賀はがきを用意する

年賀状DMを制作する際は、官製年賀はがきまたは私製はがきを使用します。官製年賀はがきは手間が少なく、お年玉抽選番号により保管率が高まります。

年始に届くよう調整する

年賀状は12月15日以降に投函する必要があります。元日に届けたい場合は、余裕をもって12月20日前後までに投函することが望ましいです。

年賀状DMの例文

BtoC向けの内容

新年あけましておめでとうございます。
昨年は格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
本年も皆さまにご満足いただける商品とサービスをお届けできるよう、スタッフ一同努めてまいります。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中はご来店いただき、誠にありがとうございました。
今年も〇〇様に喜んでいただける企画やサービスをお届けできるよう、心を込めて取り組んでまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

BtoB向けの内容

謹賀新年
旧年中はひとかたならぬお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
本年もなお一層のサービス向上に努め、貴社のご発展に貢献できるよう尽力いたします。
変わらぬご支援とご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

新春を迎え、貴社のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
昨年は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
本年も引き続き良きお取引を重ねられますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

まとめ

年賀状DMは、開封率や保管率が高く、競合が少ない時期に自然な形で顧客へアプローチできる効果的な販促手段です。新年の挨拶とともに感謝や特典を伝えることで、既存顧客との関係強化や休眠顧客の再獲得、新規顧客の獲得につながります。デザインや文面は温かみと年賀状らしさを重視し、営業色を抑えた上品な印象に仕上げましょう。

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