既製認印を銀行印や実印として登録してもいい?

認印や銀行印、実印にはそれぞれの役割があり、しっかり使い分けをしていなければリスクがあります。さらに既製品の印鑑は誰でも同じものが入手可能であるため、銀行印や実印に使用してしまうと、簡単に悪用が可能となります。
認印・銀行印・実印の役割について触れながら、既製品を銀行印や実印として登録するできるかについて解説していきます。

既製認印とは?

既製認印は、印章店や文具店、ホームセンターなどで100円程度で販売されている既製品の認印です。多くは樹脂などの素材で作られており、耐久性や捺印性などよりも手軽にそろえることができることのが利点です。

認印は日常的に使用する印鑑であり、銀行に届け出た銀行印や、役所で登録した実印とは異なり、どこにも登録する必要はありません。
安価であるため、会社用や家庭用など、それぞれの場所で保管してたり、家族で認印を併用されたりしているケースも多く見受けられます。

認印は使用頻度も高く、銀行印や実印のように重要な書類のやりとりでは使用しない印鑑です。そのため、既製品の印鑑を使用されている方も多いでしょう。

既製認印は、工場などで大量に生産された印鑑です。100円均一ショップなどで入手できる印鑑などは、既製品に該当します。同じ苗字であれば、同じ印影となります。樹脂やプラスチック素材で作られているものが多いため安価ですが、その分破損して印面が欠ける可能性も非常に高いです。

既製認印と実印や銀行印の違いは?

既製認印とは異なり、実印や銀行印は複製を防止するため、一つ一つオーダーメイドで作られた印鑑が適しています。オーダーメイドで彫られているため、同じ苗字であっても印影が異なり、違う印鑑であると判別が可能です。

銀行印の役割

銀行印は、銀行口座を開設する際に、登録する印鑑が銀行印になります。銀行印と通帳があれば、口座の解約や、大きな金額の振り込みや出金が可能となります。またクレジットカードや公共料金を口座引き落としにしてもらう際の申込書にも銀行印を押印します。

銀行印は大切に管理しましょう

銀行印や通帳を紛失したり盗難されたりすると、銀行の預金が引き出されたり口座が解約されたり、引き落とし口座として使われるなどのリスクがあります。既製品を銀行印にするということは、盗難や複製されることと同じくらい危険なことなのです。

実印の役割

実印は土地や不動産などの売買、ローンなどの融資、生命保険などの契約といった重要な取引などの書類に押印する印鑑です。実印用の印鑑を作成し、役所に届け出ることで初めて実印となり、法的な効力を発揮します。

実印は家族でも併用が不可で個人専用となります。また一人に複数個の実印を登録することはできず、1本のみの登録となります。住民票を移動する必要がある引っ越しを行った場合には、引っ越しの後の住居を管轄する役所に、実印の登録を改めて行う必要があります。

実印のリスク

実印は重要な取引の場合に、必要なものです。大きな責任やリスクを追う内容のやりとりで使用します。

役所で印鑑登録をする際に、印面の変形の可能性のあるゴム印や、印面が欠けやすい素材の印鑑は、登録できずに断られてしまいます。そのため既製品のシャチハタや安価な素材でできた印鑑は実印の登録ができません。

しかし既製品にも木製で作られた印鑑もあり、実印として登録が可能であるため、危険性を知らずに既製品を実印登録してしまう可能性があります。

実印はオリジナルの印鑑で1本しか作らず、なおかつ複製されないように可読性の低い書体で作り、大切に保管しなければなりません。既製品の印鑑を実印として使ってしまうと、同じものを購入すれば、複製されるよりも簡単になりすまされる可能性があります。

既製品の実印登録はおすすめできません

もしも既製品の印鑑を実印として登録した場合、リスクがあるか考えてみましょう。
大量生産の既製品は印影が同じなので、それを実印に使っていることが他人がわかってしまうと簡単に同じ印鑑を手に入れ、悪用されることがあります。

例えば、借金の契約の保証人にされる、不動産や土地の売買手続きを勝手にされる、などです。このようなリスクを考えた場合、既製品を実印にすることは、大変な危険なのでおすすめできません。

その他の危険な使用例

実印や銀行印の重要性は認識できていても、気づかないうちにやっている危険な行為もあります。自分や家族は大丈夫か、確認してみましょう。

・実印や銀行印を、認印としても普段から使用している

複製され悪用されるリスクがあるため、今すぐやめましょう。押印した印影から印鑑の複製が可能です。実印や銀行印を使用する場合には、契約相手や銀行員など限られた信頼のできる相手とのやりとりでしか押印してはいけません。使用頻度の高いものに押印すると、第三者に見られる可能性が高くなり、誰に悪用されるか分かりません。

・登録した実印や銀行印が既製品だったかもしれない

商品棚に陳列されたものを購入した場合は既製品です。専用の印鑑を作成し、銀行や役所に改めて登録し直しましょう。

・オリジナルオーダーした印鑑を銀行印と実印に併用している

銀行印と実印を併用することは避けましょう。

実印と銀行印を併用することは、実際には可能です。オリジナルオーダーした印鑑は、それなりに作成費用もかかるため、併用すれば費用を抑えられます。また管理する側にとっては1本だけの管理で済むため、安心や便利に感じるかもしれません。しかし、実印と銀行印を併用することにもリスクがあります。

銀行での手続きや契約の締結のために、印鑑を持ち出して万が一紛失してしまった場合、併用していている分のリスクが増えます。それぞれの役割で専用の印鑑を作成することで、万が一紛失した場合でもリスクを分散できます。

まとめ

既製品の印鑑は、安価で入手しやすいため、認印として使用する分には大変便利なものです。とはいえ、実印や銀行印として登録する使用方法は大変危険で、しっかりと使い分けてそれぞれを大切に保管することが大切です。

最悪の場合には、預金がすべて引き出されてしまった、借金を肩代わりしなければならないといった事態も考えられます。これを機に、銀行印や実印が既製品でないか確認し、心配な場合には、オリジナルの印鑑を作成して改めて登録しましょう。

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