実印におすすめの書体の選び方

個人の印鑑の中で、特に重要な契約ごとなどに使用する実印。
実印を作る際は適切な書体を選びたいものですよね。この記事では実印におすすめの書体の選び方をご紹介します。

実印は、基本的には印鑑証明書とセットで使用するのが多く、押印した実印の印影と証明書の印影が照合できれば良いため、必ずしも第三者が読めるように作る必要はありません。記事内でご紹介する実印に適したおすすめ書体を参考にしてみてください。

印鑑の書体の種類

印鑑に使われる書体の種類についてご紹介します。

印相体(いんそうたい)

印相体は実印や銀行印によく使われる書体です。
篆書体から派生した書体と言われており、一見何と書いているのか分からない書体でもあります。

印相体の特徴としては、文字の線が四方八方に広がっており、外枠の線と接している箇所が多数見られることです。
そのため印相体を選ぶメリットとしては、外枠と文字が接することで強度が高くなり欠けにくいため、長期的な使用が可能になることです。

また、他の書体と比べて可読性が低いため、偽造などの不正行為を防止する効果もあります。印鑑の刻印を作成する際は機械掘りが手彫りでおこなわれますが、印相体の刻印を手彫りで作成することにより、偽造リスクをさらに下げることができるでしょう。

印相体の文字が四方に伸びていることから末広がりの印象を与え、縁起の良い書体としても知られていることから、別名で吉相体とも呼ばれています。

篆書体(てんしょたい)

篆書体は、印相体の元となった書体で印相体と字体がよく似ています。印相体と同様一見では何が書いてあるのか判断しづらいですが、印相体に比べて文字の線が外への流れがないため、少し文字を判断しやすくなっているのが特徴です。
それでも現代で使われている文字とは形が異なるものが多いので、可読性が低く偽造されにくいといったメリットがあります。

中国から伝わった伝統的な書体として知られており、パスポートや郵便切手、日本円のお札に印字されている文字にも篆書体が使われています。日本人には馴染みの深い書体であると言えるでしょう。

古印体(こいんたい)

古印体は、奈良時代に隷書体から派生する形で日本由来の書体として誕生しました。
角張ったデザインの隷書体からデザインは一新され全体的に丸味を帯びた文字になっており、線が均一でないことが特徴的な書体です。

線に緩急があることから偽造防止に効果がありますが、それでいて可読性が高いため、実印から認印まで汎用的に使えるメリットがあります。
可読性の高い書体の中では外枠との接地箇所が多く、刻印の強度が高いため破損しづらいというメリットも持ち合わせています。他の書体に比べて余白部分が小さいため、ヒビが入りやすい素材で彫刻をしてしまうと、破損の原因になってしまいますので、素材選びは慎重におこなわなければなりません。

隷書体(れいしょたい)

隷書体は、篆書体の文字を直線的に描くことで読みやすさが改善された書体です。
隷書体で刻まれる文字は横長になっており、漢字の払い線に独特な動きがあるのが特徴です。

全体的に文字の線が太く描かれているため衝撃に強く破損しづらい書体で、デザインのシンプルさから機械掘りで比較的費用負担をおさえて印鑑を作成することができます。
ただし、機械掘りしやすい書体は大量生産や偽造がされやすい書体でもあるため、手彫りや難読な書体に比べると悪用リスクが高くなります。

行書体(ぎょうしょたい)

行書体は、楷書体の文字を崩したようなデザインをしており、筆で描いたように滑らかで美しい曲線が特徴的な書体です。
文字の線一つ一つに抑揚がつけられており、読みやすくかつデザイン性に優れているため、女性に多く選ばれている書体でもあります。

ただし、文字の太さにメリハリがある分細くなっている部分は衝撃に弱く破損する恐れがあるため、長期的な使用は難しいかもしれません。認印など役所への登録や各機関への届出が必要のない印鑑の書体に向いていると言えます。

楷書体(かいしょたい)

楷書体は、認知度が高く読みやすいため、日本人に最も馴染みのある書体です。
独特な文字の崩しなどがなく、誰にでも読める字体であるということが楷書体のメリットになります。

認印など、誰が押印をしたのかを確認する目的のある印鑑の刻印として最適です。
ただし、誰にでも読めて誰にでもまねができてしまうため、セキュリティ面としては決して安全とは言えません。

実印におすすめの書体

書体の種類を確認したところで、実印の概要と実印におすすめの書体をご紹介します。

実印とは

実印に適した書体を選ぶために、実印の特性について確認しておきましょう。

実印とは、市町村の役所へ登録した印鑑のことです。役所で登録することで印鑑登録証明書が発行されるのですが、この証明書をもって印鑑が実印であると認められるようになるのです。実印は不動産取引やローン契約、自動車売買の契約など重要な契約を結ぶ際の押印に使用されるため、本人の意思での契約であることを証拠として残す必要があります。
実印は一つしか登録ができないため、偽造などされないよう唯一無二の印鑑を登録することが理想的です。

実印におすすめの書体

実印におすすめの書体としては、印相体と篆書体があります。

印相体は文字が独特な形をしており読みづらい特徴があるため、唯一性が求められる実印に使用する書体として適していると言えます。

篆書体は印相体の元となる書体ですので、同様の特徴があります。どちらも刻印の外枠と接する箇所が多く衝撃に強いため、耐久性も優れています。

銀行印におすすめの書体

実印以外の印鑑におすすめの書体も見ておきましょう。

銀行印とは

銀行印とは、銀行などの金融機関に届出をおこなう際に使用する印鑑のことです。

銀行口座の開設や窓口での振替などの手続きに利用します。
実印を銀行印として併用することも可能ですが、複数の銀行に届出をおこない使用頻度が増えると、偽造リスクが高まってしまいますので、できれば別々に作成して分けて保管するのがおすすめです。
実印のように難読で唯一無二のものである必要はありませんが、偽造や悪用されないようひねりのある書体を選ぶと良いでしょう。

銀行印におすすめの書体

銀行印におすすめの書体としては、篆書体と古印体があります。

篆書体は難読性のある独特な文字の形をしていますが、線や文字の形自体はハッキリとしているので、読みづらくても第三者の銀行職員でも照合することは可能です。また、銀行印におすすめの2つ目の書体である古印体は、篆書体に比べて文字の読みやすさは増したものの、丸味を帯びたメリハリのある字体は偽造しにくいデザインとなっています。

また、実印と同様に印相体を選ぶこともあります。

認印におすすめの書体

日常使いとしての印鑑である認印におすすめの書体もご紹介します。

認印とは

認印とは、実印や銀行印とは異なり、どの機関にも届出や登録をしていない印鑑のことです。
登録の必要がないため、サイズやデザインは個人の自由となっている印鑑でもあります。
認印の使用用途としては、婚姻届・転入届・住民票の申請・国民年金・保険手続き・郵便物の受け取りなどです。
日常的な手続きなどが認印の使用用途のメインであり、第三者が見ても誰の押印かをわかってもらう必要があるため、難読性の高いものではなく読みやすい書体で作成するのがおすすめです。

認印におすすめの書体

認印におすすめの書体としては、古印体や隷書体があります。
どちらも文字の可読性が高いため、第三者でも誰の押印なのかを確認することが可能です。

デザインに規定がないため三文判などの大量生産されたものを使用しても問題はありません。ですが、印鑑に少し個性を持たせるために、墨溜まりや途切れのある独特な字体の古印体や字のうねりが特徴的な隷書体を認印に使用するのもおすすめです。

イメージ別おすすめの書体

最後に書体が与えるイメージについてご紹介します。読みづらいがスマートな印象の篆書体、読みづらいが荘厳な印象を与える印相体、読みやすく柔らかい印象を与える古印体、読みやすく力強いイメージの隷書体。最終的には書体が描く字体が自分の思い描くイメージと合致するものを選ぶと良いでしょう。

まとめ

実印におすすめの書体について解説しました。実印は一人一本しか登録できず重要な契約に使用するため、唯一無二な書体や作成方法を選択するのがおすすめです。また、実印は印鑑証明書と照合できることが大切なので、誰でも読める書体にするのは避けましょう。本記事を参考に、自分に合った実印を作成してみてください。

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