印鑑を作るときに迷いやすいのが「書体(文字のデザイン)」です。書体で変わるのは印影の見た目だけではなく、読みやすさや一般的に言われる真似されにくい印象(対策の観点)にも違いが出ます。
ただし、書体に“絶対の正解”があるわけではありません。いちばん失敗しないコツは、用途(実印・銀行印・認印)から選ぶこと。この記事では、5つの書体の特徴と、迷わない選び方をまとめます。
印鑑の書体比較表
「どれを選べばいいか分からない」という方は、まずは下の比較表でイメージをしてみてください。
| 書体 | 印象 | 読みやすさ | 複雑さ | 向く用途 | ひと言 |
|---|---|---|---|---|---|
| 古印体 | 親しみ・定番 | ◎ | △ | 認印 | 印鑑らしい定番 |
| 篆書体 | 伝統・格調 | ○ | ○ | 実印/銀行印 | 迷ったら王道 |
| 印相体 | 重厚・個性 | △ | ◎ | 実印/銀行印 | 存在感のある印影 |
| 楷書体 | 端正・誠実 | ◎ | △ | 認印 | くっきり見やすい |
| 行書体 | 上品・やわらか | ○ | △ | 認印 | 堅すぎない上品さ |
※「複雑さ」は“真似されにくい印象になりやすい傾向”としての目安です。安全性は材質やサイズ、保管方法なども含めて総合的に考えましょう。

用途別|おすすめ印鑑書体
印鑑の用途別のおすすめ書体も紹介します。
| 用途 | おすすめ書体(目安) | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| 実印 | 篆書体/印相体 | 重厚感・格調 特別感を重視しやすい |
| 銀行印 | 篆書体/印相体 (好みで古印体) |
落ち着き+実用性の バランスで選ぶ |
| 認印 | 古印体/楷書体/行書体 | 読みやすさと 押しやすさ重視が安心 |
印鑑の「書体」で何が変わる?
見た目(印象)/読みやすさ/真似されにくい印象(対策の観点)
書体は印影の第一印象を決めます。端正で読みやすい書体は「誠実・きちんと感」が出やすく、日常用途に向きます。一方、線が複雑で判読しづらい書体は、一般的に「第三者が真似しにくい印象」を作りやすいとされ、重要用途で検討されることが多いです。
ただし、「読めないほど複雑」なら良い、というものでもありません。押印後に確認しづらかったり、好みと合わなかったりすることもあるので、用途と好みのバランスが大切です。
まずは「用途」から決めるのが近道
迷ったら、用途を先に決めましょう。
- 実印・銀行印:重要な手続きで使うことが多い → 落ち着き/格調/特別感を重視
- 認印:日常で使う機会が多い → 見やすさ/押しやすさ/親しみやすさを重視
用途が決まれば、候補になる書体は自然に絞れていきます。
書体5種類の特徴
古印体(こいんたい)

古印体は、丸みがあり、素朴で親しみやすい印象の書体です。既成の認印でもよく見かける定番で、「いわゆる印鑑らしさ」が出やすいのが魅力です。日常の確認印として使いやすく、初めての認印で迷ったときにも選びやすい書体です。
こんな人におすすめ:定番が安心/柔らかい雰囲気が好き/認印を日常で使うことが多い
篆書体(てんしょたい)

篆書体は、古代文字をもとにした伝統的な書体で、印鑑では格式のある“王道”として扱われます。線の太さが比較的そろい、整った重厚感が出やすいのが特徴です。個人の実印・銀行印はもちろん、法人印(角印・役職印など)でも幅広く使われるため、「迷ったら篆書体」は選び方としてとても実用的です。
こんな人におすすめ:王道・伝統が好き/きちんとした印象にしたい/実印・銀行印を作りたい
印相体(いんそうたい)

印相体は、篆書体をベースに線を意匠化した書体で、枠いっぱいに文字が広がるような印影になりやすいのが特徴です。存在感が強く、一般的に「判読しづらい=真似されにくい印象」になりやすいとされるため、重要用途で検討されることが多い書体です。一方で、印影の雰囲気に好みが出やすいので、購入前に見本を確認すると納得して選びやすくなります。
こんな人におすすめ:重厚で特別感が欲しい/個性的な印影が好き/実印・銀行印で“印鑑らしさ”を出したい
楷書体(かいしょたい)

楷書体は、文字の形が整っていて読みやすい書体です。押したあとに一目で確認しやすく、日常用途の認印や、職場の受領印などにも向きます。シンプルで誠実な印象を与えやすいので、「誰が見ても分かる印影にしたい」という方に選ばれています。
こんな人におすすめ:くっきり見やすい印影がいい/シンプルで誠実な印象にしたい/認印を実務で使う
行書体(ぎょうしょたい)

行書体は、楷書を少し崩した流れるような書体で、上品さと柔らかさのバランスが魅力です。楷書ほど堅くなりすぎず、古印体ほど丸くなりすぎないため、落ち着いた雰囲気の認印として人気があります。「ほどよく品があり、硬すぎない印影」を求める方に向く書体です。
こんな人におすすめ:上品でやわらかい印象が好き/楷書は堅いけど崩しすぎも苦手/認印を少しおしゃれにしたい
迷ったらこれ|選び方3ステップ
Step1:用途を決める(実印/銀行印/認印)
まずはどの用途で使うかをはっきりさせましょう。
- 実印・銀行印 → 篆書体/印相体を中心に検討
- 認印 → 古印体/楷書体/行書体を中心に検討
Step2:「読みやすさ」か「複雑さ(対策の観点)」かを決める
- 読みやすさ寄り:楷書体/古印体/行書体
- 複雑さ寄り:篆書体/印相体
迷ったら、認印は読みやすさ寄り、実印・銀行印は複雑さ寄りで考えると決めやすいです。
Step3:彫る内容(姓のみ・名のみ・フルネーム)で印影バランスを整える
同じ書体でも、文字数で印影の印象は変わります。文字数が少ないと余白が目立ち、文字数が多いと詰まって見えることがあります。購入時は書体だけでなく、「彫る文字」も含めて見本イメージを見て選ぶのが安心です。
よくある質問(FAQ)
印相体と篆書体、どっちがいい?
どちらも重要用途に向きやすい書体です。
- 篆書体:王道で整った格調。落ち着いた印象にしたい方向き
- 印相体:より意匠的で存在感が強い。特別感や個性を出したい方向き


「実印なら印相体」「銀行印で迷ったら篆書体」「個性や重厚感なら印相体」と考えると選びやすいです。
銀行印におすすめの書体は?
篆書体・印相体が候補になりやすいです。日常性も少し重視したい場合は、古印体を検討する方もいます。迷ったら篆書体から見本比較がおすすめです。



認印は読みやすいほうがいい?
受領印や社内の確認など、日常用途が多いほど読みやすさはメリットになります。古印体・楷書体・行書体から、好みの雰囲気で選ぶとまとまりやすいです。



まとめ|用途に合わせて、最後は“印影の好み”で決める
書体選びは、用途で絞り、読みやすさと雰囲気のバランスを見て、最後は印影見本で好みを確認するのがいちばん確実です。迷ったら、実印・銀行印は篆書体/印相体、認印は古印体/楷書体/行書体から選ぶとスムーズに決まります。
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