「年賀状で結婚報告をする前にマナーを知りたい」という人もいるでしょう。年賀状は新年のお祝いをするためのハガキなので、「結婚報告も兼ねるときはどのように書けばいいかわからない」と悩んでしまいますよね。結婚報告を兼ねる場合は、普通に年賀状を出すのとは違った、覚えておくべきポイントがあります。今回は、年賀状で結婚報告をする際に意識するマナーや書き方を紹介します。
年賀状で結婚報告をする際に意識するべきマナー
年賀状で結婚報告をする際に意識するべきマナーは、次の通りです。
- 喪中の人に年賀状で結婚報告をするのは控える
- 結婚式前でも年賀状で結婚報告をしても問題ない
- 送る人に合わせて適切な写真を入れる
- 年賀状で結婚報告をする際の文例
- 年賀状で結婚報告をする相手は友人まで
それぞれ詳しく解説します。
喪中の人に年賀状で結婚報告をするのは控える
喪中の人へ年賀状で結婚報告をするのは控えましょう。年賀状の代わりに、年賀状受付開始時期の12月15日までに喪中ハガキを出します。その後は松の内が過ぎてから立春までの間に、寒中見舞いとして結婚ハガキを出すのが基本です。
松の内とは、正月の門松を飾っておく期間を指します。関東は1月7日までですが、関西では1月15日までと地域によって期間に違いがあります。立春とは、節分の翌日のことです。
地域によりますが、一般的には1月8日~2月4日の間に寒中見舞いを送りますので、その時に寒中見舞いと兼ねた結婚報告をおこないます。最後の一文に「昨年○月○日に結婚しました。これからもよろしくお願いいたします。」と添える程度に止めるようにしましょう。
また、年末ギリギリに喪中になった場合は、喪中ハガキを出す必要はありません。年が明けて1月7日を過ぎたら、改めて寒中見舞いも兼ねた結婚報告をおこないます。
結婚式前でも年賀状で結婚報告をしても問題ない
結婚式前であっても、年賀状で結婚報告をするのは問題ありません。年賀状に「○月○日に入籍しました」と書いて出しましょう。名字が変わっている場合は、差出人の名字も新しくします。
今後式を挙げる予定がある場合は、挙式の予定日も書きましょう。結婚式に招待する人はもちろん、招待しなかった人に対しても同様です。招待しない人に予定日を伝えるのは、「遠慮されている」「隠されている」といった心配を避けるためです。
写真を入れるかは任意で、親しい人にのみ写真を載せても問題ありません。ほかの人に対しては、文面のみだったり干支のイラストを載せたりして対応できます。
送る人に合わせて適切な写真を入れる
結婚報告も兼ねた年賀状に写真を入れるかは任意ですが、なるべく写真を入れた方がいいとされています。親戚に対しては、2人の顔がしっかりと写っている写真を選ぶのが好ましいです。
友人に対しては、2人の仲の良さが伝わる写真を選んでみましょう。結婚式に参列してくれた人には、結婚式の写真を選ぶと思い出の残る年賀状に仕上げられます。
結婚式に参列できなかった人には、新婚旅行の写真を載せるのが無難です。結婚式の写真を載せると行けなかったことへの罪悪感を覚えさせる恐れがあるため、楽しそうな気分にさせてくれる新婚旅行の写真が適しています。
もちろん、あまり親睦が深くない人に対して無理に写真入りの年賀状を送る必要はありません。文面だけにしたり干支のイラストが載った年賀状にしたりするなど、関係性に合わせて年賀状のイメージを決めましょう。
年賀状で結婚報告をする際の文例
年賀状で結婚報告をする際の文例は、以下を参考にしてください。
結婚して初めてのお正月を迎えました 今後とも末永くご指導ご鞭撻の程 よろしくお願い申し上げます 令和七年 元旦 |
結婚報告をメインとした文章を送る際は、上記のように結婚式にまつわることや今後の家庭について書きます。
ふたりで迎えるはじめてのお正月です 未熟ではありますが健康で明るい家庭を 築きたいと思っております 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます 令和七年 元旦 |
年賀状らしさを表現したい場合は、上記のようにお正月のことにも触れた結婚報告の文面を考えてみてください。
仲人に対しては、「昨年はお世話になりました。ありがとうございます。」と感謝の一言を添えます。親戚には「ご厚情に深く感謝申し上げます」と、同様に感謝の気持ちを伝えましょう。
年賀状で結婚報告をする相手は友人まで
年賀状で結婚報告する相手は、友人までに止めておきましょう。具体的には、親類・友人・知人であれば、誰に対しても結婚報告を兼ねた年賀状を送っても問題ありません。
しばらく連絡を取り合っていない友人でも、年賀状であれば当たり障りのない報告ができます。年賀状だけの付き合いをしている人でも、結婚報告を兼ねることで会いに行けない事情を察してもらえるでしょう。
しかし、上司に結婚報告を兼ねた年賀状を出すのは失礼なので控えるべきです。結婚報告のハガキは、入籍や結婚式の1~2ヵ月後に出すのがマナーです。それを過ぎてから年賀状で結婚報告をすると、「挨拶のついでに報告されている」と受け取られる恐れもあります。
目上の方や、上司に年賀状を出すときは、マナーを意識するようにしましょう。
結婚報告を兼ねた年賀状の書き方
結婚報告を兼ねた年賀状の書き方は、次の通りです。
- あくまでも新年のお祝いを中心にする
- 旧姓も合わせて差出人を書く
- 送る相手に合わせて内容を変える
それぞれ詳しく解説します。
あくまでも新年のお祝いを中心にする
結婚報告を兼ねた年賀状を書くときは、あくまでも新年のお祝いを中心にします。年賀状は、あくまでも新年のお祝いと年始の挨拶を伝えるものだからです。結婚報告はおまけと捉え、新年の挨拶をメインに書く必要があります。
結婚報告をメインにすると、「年賀状の意味をはき違えている」と相手から失礼に思われる恐れもあるので注意しましょう。
旧姓も合わせて差出人を書く
差出人は、旧姓も合わせて書くようにします。変更後の名前の後に、より小さい文字で(旧姓 ○○)とカッコ書きするのが一般的です。親戚や夫婦共に面識がある人には、夫婦連名で年賀ハガキを出します。
また、差出人を夫婦連名にするときは、夫の名前を先に載せてください。子どもが生まれているケースでは、子どもの名前も記載します。
送る相手に合わせて内容を変える
結婚報告を兼ねた年賀状を書くときは、送る相手に合わせて内容を変えましょう。相手との関係に応じて、丁寧な表現とくだけた表現を使い分けられます。
結婚式に出席してくれた人には、「出席して頂きありがとうございます」などのお礼を伝えるのが基本です。気持ちを伝えることを重視したい人は、メッセージを手書きにするのがおすすめです。
何かしらの事情で結婚式に出席できなかった人には、式を済ませられた感謝の気持ちを文章にして添えましょう。すでにお祝いを頂いたときは、「使わせて頂いています」などの使っていることがわかる一言を添えると喜ばれやすいです。
ケースごとに年賀状で結婚報告をするべきか解説
以下のケースごとに、年賀状で結婚報告をするべきかを解説します。
- 入籍済み結婚式なしの場合でも報告する
- 結婚と同時に出産を報告しても問題ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
入籍済み結婚式なしの場合でも報告する
入籍済みで結婚式を挙げない場合でも、近しい人やお世話になった人には結婚報告をするのがマナーです。「結婚式は挙げないが結婚した」と報告することで、今後も変わらないお付き合いをお願いする意思を表明できます。
結婚式を挙げずに親族のみで食事会をした場合は、「挙式の予定はないが親族で食事会をした」と一文添えても問題ありません。
結婚と同時に出産を報告しても問題ない
結婚と出産はどちらもおめでたいことなので、年賀状で同時に報告しても問題ありません。しかし、年賀状を送る相手との関係性により、意識するべき点があります。
上司などの目上の人に対しては、写真入りの年賀状を送る行為が失礼にあたることがあります。出産は喜ばしいことなので赤ちゃんの写真を載せたくなりますが、マナーとして控えた方がよいでしょう。
また、出産は繊細な話題なので、事情によっては出産報告を手放しで喜べない人もいます。新年から相手に嫌な思いをさせないよう、出産報告を兼ねた年賀状を送る際は「どのような相手なら問題ないか」を判断しましょう。
年賀状で結婚報告をする際の注意点
年賀状で結婚報告をする際の注意点は、次の通りです。
- 句読点は区切りを意味するので使わない
- 忌み言葉は縁起が悪いので使わない
- 重複表現を避ける
それぞれ詳しく解説します。
句読点は区切りを意味するので使わない
年賀状では、区切りを意味する句読点は使わないようにします。「何かが終わる」「関係などが切れる」などのネガティブなイメージを抱く人も多く、失礼に当たるためです。
年賀状の文章が長く句読点がないと読みにくくなる場合は、スペースや改行を使って文章のバランスを取りましょう。
忌み言葉は縁起が悪いので使わない
「終・無・悪・去」などの忌み言葉は、縁起が悪いので使わないようにしましょう。忌み言葉は不幸を連想させる文字なので、人によっては不快感を覚えます。「無事~」や「去年は~」など、無意識に使ってしまうことも多いので気をつけましょう。
重複表現を避ける
年賀状は、重複表現が生まれないよう意識して書きます。例えば「謹賀新年 あけましておめでとうございます」という文章は、前後の意味が同じなので重複表現です。「1月1日 元旦」など、日付の表記でうっかり重複することもあるので注意しましょう。
まとめ
今回は、年賀状で結婚報告をする際のマナーについて紹介しました。年賀状は新年を祝うものなので、結婚報告を兼ねる場合でも必要最低限に止めておくことが大切です。
旧姓も合わせて差出人を書いたり、送る相手に合わせて内容を変えたりするなど、報告も兼ねる場合は年賀状の書き方も意識します。区切りを意味する句読点や忌み言葉は縁起が悪いため、使用しないよう特に気をつけましょう。